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実験

以下のような実験条件において、和声付け実験を行った。

また、次の3種類の手法の結果を比較した。
  1. 川上の常套句連接モデル[18]
  2. 音種連鎖モデル(提案手法A):式([*])
  3. 音高連鎖モデル(提案手法B):式([*])
図: 和声付け結果の例:上段から川上らの常套句連接モデル・音種連鎖モデル・音高連鎖モデルの順(旋律:Sholom Secunda作曲 ``ドナドナ'' より 第1〜8小節)
\includegraphics[keepaspectratio=true,height=35mm]{eps/donadona.eps}

和声付け結果例を図[*]に示す。楽譜の上に2拍ごとに記した和声は、上段から、従来法・音種連鎖モデル・音高連鎖モデルの結果を示す。 3、7小節目の3、4拍目の和声では、従来法では第2音を和声内音とする和声付けがなされているが、 提案手法A・Bでは第1音と第3音を和声内音とする和声付けがなされている。これは第2音を経過音と捉え、 和声付けがされたものであると考えられる。音高連鎖モデルでも音種連鎖モデルと同様に経過音を判別できていることから、 音高連鎖確率は経過音などの装飾音とそれ以外の和声外音との出現頻度の違いを内包していると考えられる。

また2、6小節目の3、4拍目の和声と3、7小節目の1、2拍目の和声間では、 従来法ではこの2和声間が不自然な和声進行になっているが、 提案手法A・Bでは多少自然な和声進行になっていることが確かめられた。 これらの結果より、期待されていた装飾音への対応と和声常套句間の自然な接続が確かめられた。



平成16年9月23日