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本報告では和声と単音の関係をモデル化する[18]のではなく、複数の音符の連鎖との関係をモデル化する。
音種連鎖モデルは旋律を和声に対する音符の役割で分類し、それらのtrigram確率を用いて旋律生成確率を定義する。
従来法で和声外音として扱っていた音符のうち、経過音・刺繍音・倚音・掛留音などの和声学的に使用が許されている音符に関しては区別して扱う。
また、拍の強弱と音符の種類の関係も考慮するために、同じ役割の音符であっても表拍と裏拍では区別して扱う。
旋律生成確率の学習は以下のような手順で行う。
- 学習したい和声が与えられた旋律の各音符に対して、和声との対応に応じてラベルを付与する。ここでは和声内音(H)、装飾音(O)、それ以外の和声外音(N)の3種類のラベルを用いる。
- 基本音符長の表拍・裏拍を区別する情報を付加する。(今回は表拍=強拍、裏拍=弱拍とする)
- このようにして得られた6種類のラベル(音種ラベル)からなる系列のtrigram確率を学習する。
このようにして得られたtrigram確率を用いて以下のように旋律生成確率を求める。
- 与えられた旋律に対して候補となる和声常套句を当てはめ、旋律の各音符をその拍の和声に対してラベル付けする。図
に例を示す。図中
が付されていないラベルは強拍を表し、付されているラベルは弱拍を表す。
- 求めたラベル系列のtrigram確率の積をその常套句からの旋律生成確率とする。
求めたラベル系列を
とすると、
式(
)、式(
)より
は次式のようになる。
![\begin{displaymath}
\hspace{-5mm}
\resizebox{0.95\hsize}{0.08\hsize}{$\displayst...
...{H_i H_{i+1}} \cdot P(v_i(j)\vert v_i(j-2),v_i(j-1))\right]
$}
\end{displaymath}](img73.png) |
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平成16年9月23日