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自動和声づけの問題

与えられた音楽旋律に対して自動的に適切な和声付けを行なうことは興味深い問 題である。実用的な面では、音楽の愛好者は多く、旋律の作曲には多くの人が興 味を持つが、それに適切な和声付けをして編曲をするにはやや専門的な音楽の知 識や経験が必要となる。そのような知識や経験を持たない初心者でも編曲ができ る支援ツールには大きな用途が想定できる。

従来の自動和声付けの方法としては、1小節等の基本単位を設け、基本単位中に ある旋律の音符が最も多く含まれる和音を判定し、曖昧さをなくすために終始形 などの和声学の知識を用いる方法が広く行なわれている [11,12,13]。また、入力された和音をジャズの和音らしく編曲し 直すような研究も報告されている[14]。

和声付けには旋律の調性が深く関係すると考えられるが、調性認識に関してはあ る基本単位中の音符がどの調の構成音に最も多く含まれるかを判定する方法 [15]が行なわれ、また、なるべく全音階的な枠組にあてはまる調を探す 方法[16]も報告されている。

これらの研究では発見的な原理や規則に基づいたアプローチが多かったのに対し、 我々は確率モデルを基礎とした連続音声認識の分野の方法論を旋律への自動和声 付けの問題へ適用している [17,18,19]。



平成16年9月23日