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変動する音長とリズム単語

実演奏では、同一の音符$q$も異なる音長で演奏される。そこで、この音長の変化を 確率分布$b_q(x)$で表すことにする。また、音符$q_l$の次に音符$q_m$が来る確 率を$a_{q_l,q_m}$で表す。あるリズムパターン $w=\{q_1,\cdots,q_{n}\}$が 音長 $x_1,\cdots,x_n$で演奏される確率は、

\begin{displaymath}
P(\{x\}_{t=1}^n \vert w) = \sum_{k=1}^n a_{q_k,q_{k+1}} b_{q_k}(x_k)
\end{displaymath}

これは、音符$q$を離散状態、演奏される音長$x$を状態$q$から出力される連続値の 信号と捉えると、HMMとして等価である。ここで、同一の状態に留まることを許 せば、同時に複数の音が演奏される多声音楽を扱うこともできる。また、観測量 として、音長でなくテンポに依存しない音長の比(リズムベクトル)を使うことも 可能である。



平成16年9月23日