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最短ゴロム定規間隔の導入

前述の要求を満たすために, 本研究ではDSにおける最短ゴロム定規(Optimal Golomb Ruler; OGR)間隔の導入を試みた.

OGRはX線センサの配置や電波望遠鏡の配置に使われている. この間隔は, センサの数が少なくても, 測ることができる距離の種類が増えると いうものである. 例えば, 4個のマークならば{0-1-4-6}, 10個のマークならば {0-1-6-10-23-26-34-41-53-55}のようになる. これを用いると, 図2に示すように, 等間隔配置よりも多くの間隔を得ることができる.

ゴロム定規は, 2組の数字の差が同一ではない正の整数の集合である. M個のマークがあるときに,

$\displaystyle \delta_{ij}=a_j-a_i \quad (1\leq i < j\leq M)$     (1)

が全て異なり, かつ,
$\displaystyle 0=a_1<a_2<\cdots<a_M$     (2)

を満たす数列 $a_k \quad (k=1,2,\cdots,M)$の数値を目盛とした定規を作れば, それがゴロム定規である. この$a_M$が最も短くなるものをOGRという.

図 2: 通常の等間隔と最短ゴロム定規間隔の比較

これをマイクロホンアレーに用いることにより, 通常のDSよりも音 声認識率を向上させることができると考えた.

また, 最適な間隔を強調するために, 推定された音源と雑音のなす角に応じて, その角度で処理後のSNRが高くな るマイクロホン間隔になる2組のマイクロホン対に大きな重みを付け, 低くなる マイクロホン対に小さな重みを付けるため,

$\displaystyle k_1+k_2+\cdots+k_N=1$     (3)

という条件の下で重み$k$を変化させた. この条件であれば音源の振幅は変化しない.



平成16年3月25日