MIDI ファイル集
以下は音楽研究の道具として abc フォーマット で記述し、 abc コードをMIDIに変換 して作成したものです。音楽キーボードやグラフィカルな楽譜ツールや MIDI機器などを一切用いず、テキストエディタで楽譜を投入して作成すること ができました。 こうして、abc フォーマットは、音楽情報処理研究のための言語として 使えることがわかりました。 実際、1999年に開始した音楽情報処理の研究で大変活用しています。

作曲者 曲名 思い出など
J. Pachelbel 弦楽のためのカノン
Kanon (弦楽版)
Kanon (木管版)
Kanon (大オーケストラ版)
Kanon.abc (abc 言語による楽譜)
Kanon.pdf (同 pdf)
すっかり有名になったヨハン・パッヘルベルのカノン。 しかし、30年くらい前、大学生だった私が最初にFM放送で耳にした時は名前も知らず、 楽譜が欲しくて、手作りのテープレコーダで放送を録音して懸命に楽譜の書き起こしをしたものでした。 カセットテープが出始めのころでした。 最初のバロックブーム到来で、 ヴィバルディが一般に知られ始めたものの、 パッヘルベルという名前は誰も知らないころです。 (今でも、この曲以外ではほとんど知られていないようですが、 実は美しい合唱曲やオルガン曲など多数の作品があります。) 時代は変わり、 いまは、自動採譜の例としてこの曲を対象に多重音解析の研究を学生がやっています。
このページのタイトル音楽は、emacs (mule) で abc フォーマットの楽譜を投入し、 それを MIDI に変換したものです。通奏低音を3種類のパターンで作り、 それらに合わせてテンポや音色も変えて見ました。
J. S. Bach オルガンのためのカノン変奏曲 (BWV 769)
"Vom Himmel hoch da komm ich her" (高き天より我来たる)
Var I: 8度のカノン (演奏譜 pdf, gif)
Var II: 5度のカノン (演奏譜 pdf)
Var III: 7度のカノン (演奏譜 pdf)
Var IV: 8度の拡大カノン (演奏譜 pdf)
Var V: 6,3,2,9度の反行カノン (演奏譜 pdf)
バッハが晩年にミツラーが主宰する音楽学協会入会時に提出した作品。 いわば入会論文です。最晩年のバッハの作品群 (音楽の捧げ物、フーガの技法)に共通した厳格なカノンを特徴としています。 ルター作詩作曲のクリスマスコラールを主題にしてその5つの変奏曲でありながら、 あらゆる度数のカノンの可能性を探求しています。 なお、この時同時に提出した肖像画がバッハの顔として 最もよく知られています。
私がこの曲を知ったのは、すでに大学院生になった頃だったような気がします。
それから二十数年。 abc フォーマットの記述能力を調べるために、カノンならば1パート投入すれば 2パート分稼げると思って、この曲をテストに選んだのでした。 まあ、1曲目は目論見通りだったのだけど、2曲目以後は泥沼状態。 それでも、装飾音の記述ノウハウなど面白い経験ができました。
クラヴィア練習曲集第III巻より、オルガンコラール (BWV 684)
"Christ unser Herr zum Jordan kam" (我らの主キリスト、ヨルダン川に来たれり)
ドイツオルガンミサとも呼ばれたこの曲集は難解と言われますが、 その中でひときわ美しい曲。ヨルダン川の流れの描写が秀逸。 私が大学4年生だった頃、 このドリア調のコラール旋律の不思議な魅力に取り付かれ、 そのコラール編曲であるこのオルガンコラールと、 カンタータ7番に夢中になったものです。 バッハのカンタータはいろいろ歌いましたが、 7番はついに機会がありませんでした。 さほど名曲とされていないのが残念です。

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