音楽情報処理
音楽情報処理の研究は、 音楽のさまざまな側面を情報処理技術によって取り組むものです。 当面の目標としては、 自動採譜(音価認識、テンポ認識、拍子認識、拍節認識、音高認識、etc.)、 自動和声づけ(和声遷移モデル、転調検出、複数候補順序づけ) などに取り組んでいます。 将来は、さまざまな作曲家のさまざまな楽曲スタイルの 情報科学的モデルを作り上げたいと考えています。
[ 研究概要 ]
自動採譜の研究 [M2 齋藤] ..... 音楽を聞いて楽譜として書き取ることを「採譜する」と言います。 人間が行う場合も、かなりの訓練が必要な能力とされています。 最終目標は、複数の楽器が演奏した音楽録音から楽譜を推定することですが、 その前にさまざまな技術が必要になります。その一つは、リズムの認識です。 MIDIキーボードから投入された音楽を楽譜として解釈する場合を考えると、 音の高さは分かりますが、何の長さの音符を弾いているつもりなのかを 推定するのは容易ではありません。 市販ソフトは、単純に「クォンタイズ(量子化)」する場合が多く、 ある意味では演奏に忠実な楽譜が出来上がるのですが、 とても意図した楽譜にはならないことが多くあります。 研究段階では、ボトムアップにさまざまな複雑なルールを適用して、 解決が図られていますが、演奏から意図する音符を抽出するのは 容易ではありません。 当研究室では、これを時系列パターン認識の問題と考えて、 HMM(Hidden Markov Model: 隠れマルコフモデル)を用いて、 いままでに無かった全く新しいアプローチを試みています。 その結果、音符の推定、拍子の推定、 拍節の推定(小節線をどこに入れるのが適当か)、 テンポ変動の推定、などが単一の原理で可能になりました。 (発表:電気関係学会北陸支部大会 1999年10月; 情報処理学会音楽情報処理研究会 1999年12月)
旋律への自動和声づけの研究 [M2 川上] ..... 旋律を与えてそれに適切な和声(コード)を自動決定する研究を 行っています。その方法として、 HMM(Hidden Markov Model: 隠れマルコフモデル)を用いて、 尤度最大の経路(Viterbi経路)を求めるという いままでに無かった全く新しいアプローチを試みています。 確率統計モデルを用いるため、J. S. Bach のコラール約400曲の 和声進行を解析し、その統計情報を用いることも行っています。 (発表:電気関係学会北陸支部大会 1999年10月; 情報処理学会音楽情報処理研究会 2000年2月)
[ 研究資料(嵯峨山・下平研のみアクセス可)]
abc フォーマット
MIDI 関係
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