人物動画生成研究    

コミュニケーション手段として動画の技術はこれまであまり利用されてこなかった。近年、コンピュータグラフィックス技術の発展に伴い、動画を扱うことが容易になってきた。ロボットシミュレーションでは、動くことによって、移動経路などを確認することができるようになり、映画などエンターテイメント分野でもコンピュータグラフィックスの映像が活用されている。このような分野では人物などのキャラクタの動作や移動制御が重要である。動きの情報を3次元データで取り込む装置が開発され利用されている(モーションキャプチャ)。しかし、人の動きがそのまま活用できる点で優れた装置であるが、アニメーション特有の強調、誇張の表現は不可能である。従って取り込んだ3次元動作データをもとに動作の強調をすることになる。本研究室ではHI研究と絡めながら人物動画生成研究を行っています


[ トイストーリーから学ぶこと ]

1995年にハリウッドが生み出した世界初の長編CG映画『トイ・ストーリー』は爆発的ヒットとなった。しかし『トイ・ストーリー』の成功は何もそれがCG作品だったからというだけではなく、むしろCG特有のキャメラムーブや構図を極力抑えライブアクションを意識して作られたという点が大きいだろう。そして、この作品には最先端技術というよりかつてのディズニーアニメが持つ有機的な躍動感が感じられる。CGは単なる表現方法のひとつに過ぎないということ、つまりキャラクター設定・キャラクターの感情表現・画面構成などにおける経験と勘そしてストーリーとアニメーションのセンスの良さが『トイ・ストーリー』を成功に導いた、というのが本筋だろう。人物動画生成はジェスチャー認識処理を基本とし、昨今のリアルさや動作情報の量ではなく、人間が本来持っている躍動感を伝えることが最大の目的である。

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[ 関連学会等 ]


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