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まとめと今後の課題

本稿では、音楽演奏の音符音長系列データに対し、連続音声認識の方法論を適 用して統合的な確率モデルと最尤経路探索により、意図された音符リズム推定、 テンポ推定、拍子推定、小節線位置推定などが統一的に行えることを示した。

今後は、ジャンルやスタイルを考慮(に依存)したリズムパターンのモデル学習 方法、楽曲フレーズのようなより大きな曲構造を反映したモデル、未知リズム パターンへの対処(音声認識における未知語対策に対応)、リズムパターンに依 存した音長伸縮特性を考慮した推定(同じく文脈依存モデルに対応)、ユーザの スキルや癖を学習するユーザ適応技術(同じく話者適応に対応)、A*アルゴリズ ムなどの効率的な解探索、$N$-bestアルゴリズムの適用などの発展により本法 の適用可能性を広げたい。さらに、音響信号入力に対して適用し、自動採譜の 一要素技術として用いたい。




平成16年9月15日